11月17日(日) 晴れ

 

<プロローグ>

僕にはこんな自慢がある。 

 ・高速道路をスキップしたことがあるんだ。 

突然、車両が異常を訴え我が愛車はあっけなく停止してしまった。 携帯の電波は受信不能。

電話ボックスは近くには存在しない。 次のパーキングエリアまでは数キロはある。 

という信じられないくらい完璧なポジショニングなのだ。 僕は決心した。

ヒッチハイクで次のパーキングまで辿り着いてやるぜ。 しかし、誰も止まってくれない。

僕は焦った。もう瀬古になるしかない。 パーキングを目指して疾走した。

ふとその時、高速に車が一台も通っていないこ とに気付いた。 心が躍った。マイウェイだ。瀬古中止。

躍った心は私に自然とスキップをやらせたのだ。 誰もいない高速でのスキップ。たまらない開放感。

僕は裸になった。 寒さを感じないほど僕の身体は熱くなっていたんだ。もうスキップは止まらない。

視界に飛び込む全ての世界がどうでもよかった、、はずだった。 電話ボックスに気付いてしまったのだ。

中で電話をしている女性と視線が合わさった。 やっぱりどうでもいいや。

そのままパーキングまで巧みなステップは継続された。 

僕は感じたことの無いエクスタシーに包まれた・・・、愛する人に伝えたい。 

 

僕にはこんな自慢がある。 

 ・ワンギリ会社から10円ゲットしたんだ。

ある時、電車にて携帯でメールを送信するために文章を作っていたのだ。 

しかも猛烈な勢いでボタンを連射していたんだ。 そのボタンの押下と押下の間の絶妙なタイミングで

ワンギリ会社から電話がかかってきた。 その瞬間、僕の連射は神の領域に達したのだ。

ディスプレイには通話時間が表示されている。ワンギリの壁をついに乗り越えたのだ。

ふと痛い視線に気が付いた。そうだここは電車の中だったんだ。 

あまりの喜びと興奮で喜怒哀楽が制御不能となっていたようだ。 

僕は経験の無い興奮に包まれた・・・、恋する人に伝えたい。 

 

僕にはこんな自慢がある。 

 ・歩きながら眠ったんだ。

仕事でとある通路を歩いているときのことだ。突然、極度の睡魔が私を襲ったのだ。 

普通に歩いていたはずなのだが、そのまま崩れ落ちていってしまった。 

しかもその瞬間をどうやら掃除をしていたご老人に目撃されてしまったようなのだ。 

近寄ってきて一言耳元で囁やかれた。

 「初めて見たよ」、と。 

僕は今場所一番の喜びに包まれた。高見盛に伝えたい。 謙虚な私が3つも自慢してしまった。

しかし、もう一つ自慢させていただきたい。

 バドを愛する心の大きさだ。

今日は高速を使う銭もないが、愛する心に銭も糞もない!いざ出走。

 

<第4回:「燃える太陽」> 

「この物語はある学園の荒廃に戦いを挑んだひとりの生徒の記録である。 

 バドミントン界において全く無名の弱体チームがこの生徒を迎えた日から 

 わずか数年にして全国優勝を成し遂げた奇跡を通じて 

 その原動力となった愛と信頼を余すところなく活字化したものである 」  

 

大幅遅刻。。

てつ先生:「お前は本当にバドを愛しているのか?本当に愛していたら遅刻なんてないはずだろう?

        おい、なんとか言ってみろ!」

いつも以上に熱いぜ。 今日の朝練は急遽決定したため、人数は15人くらい。3コートでベスト。 

そのとき、入り口の方から奇声が響いてきた。聞いたことのないボイスである。 

父:「勝ーー!お前は何バドミントンなんかやっとるんだ!はやくいくぞ。ん?君が先生か、

   うちの勝を変なものに誘わんでほしい。あれ?勝はきとらんかね?とにかく勝を見かけたら

   すぐに家に戻るように言ってやってくれ。」 

先生:「すみませんが、あなたが勝くんのお父さんですか?」 

父:「何を言っとるんだ!私を知らないのか??信じられん、私は川浜市市議会議員であり、

   上田土木建設社長でもある上田玄冶(一役目)だ。よく覚えときなさい。」 

先生:「上田さん、勝くんはバドを心から愛しているんです。

                   それを無理矢理やめろなんて、間違っています。」 

父:「なに?君はこの私の教育に文句をつけるのかね?ゆるさんぞ!首にしてやる!

            とにかく私は帰る!なんだか気分が悪い。バド部も廃部にしてやる。」  

玄冶が体育館から姿を消すと同時に勝が現れた。  

勝(二役目):「先生、、うちのオヤジ(一役目)はあんなんだけど、悪気はないから怒んないでよ。」 

先生:「上田、それはよくわかってる。

     しかしバドを糞扱いする奴は、たとえお前のお父さんでもゆるさんぞ。」 

俺:(やべぇ、今日のてつ先生には近づけねえ。

   今の俺のバド愛では、きっと先生を満たすことはできねえ。) 

勝(二役目):「先生、今度の俺の弟(三役目の予定)も連れてきていいかな?。

        すごくバドをやってみたいって言ってるんだよ。」 

先生:「おう、大歓迎だ。連れて来い!」 

俺:(ちぃ、熱すぎるぜ、火傷もんだ。今日はとんずらするか。 

先生:「こら、どこ行こうとしてる!!まて、お前、逃げるのか?バカやろう!こっちこい!」 

 

ドロップ練習(とてもとても熱い特訓でしたが、長くなるので割愛させていただきます) 

クリア練習(とってもとっても熱い特訓でしたが、やはり長くなるので割愛させていただきます) 

 

30分後・・・・・ 

先生:「かえせないのが悔しいか!(てつ先生は泣いている)」 

俺:「はい!悔しいです。(俺も泣いている)」 

先生:「よし!その気持ちがあれば大丈夫だ!もっともっと熱くなれ!

                   燃えて燃えて燃え尽きろ!(やはり泣いている)」 

俺:「先生ー。先生ー。バドが好きです。大好きです。もっと上手くなりたいです (俺はたまらず号泣)」 

先生:「そうか、まずは二宮清純の著書を数多く読め!そしてスポーツともっと深く付き合え!

    スポーツ選手は言葉を用いなくとも自らの体で思想や信条を表現することができるが、

    私達は彼らの言葉を糸口にしなければ心の深淵に迫ったり、プレーの本質を読み解くことは

    できないんだ。それができたとき、自分のプレーが変わるはずだ!」 

※ 二宮清純(敬称略)
    『スポーツライター
』。 そして誰よりもスポーツを愛し、言葉を大切にしている。
     スポーツを”観る”ことに関してはまさに天才。彼のスポーツを観る視点にはいつも学ぶ所が多い。 
     読者をどんどん引き込む独自の文章表現は神様といっても決して過言ではない。皆さんも一読あれ!

僕は泣きながら振り返った。なんだかさらに熱い視線を感じたのだ。 

なんと上田くんも泪をながしていた。 とってもとっても綺麗な泪だった。そして口を開く。 

勝(二役目):「先生、俺、また思い出したよ。俺が「花」の書き順めちゃくちゃだったのを糞扱いせずに、

                一から教えてくれたよな。すごくすごくうれしくて・・」 

先生:「上田・・・。そうか、思い出したか。先生もうれしいぞ。みんなで花園へ行こう!」

はたしてこの光景を二宮だったらどう”観る”のだろうか。 彼のペンを動かすことはできるのだろうか。 

人を感動させるのも、泣かせるのも、笑わせるのも、怒らせるのも、幸せな気持ちにさせるのも、

 やっぱり人なんだね。 

いかん、こうしちゃいられない。今日もたくさん感じるために猪木になろう。 

  

「俺のやることを非常識と思うならばそれでいい。ただ俺は、生を受けた以上、

 この命が尽きる瞬間まで、一生懸命生きようと思う。それが、俺の人生だから」  

                                                ――アントニオ猪木会長著書『非常識』より 

 

そして、ガラスの地球を守るために治虫になろう。 

  

「夜空に肉眼で見える星の数と、いままで地球に生まれ、死んでいった人の数は

 だいたい同じなのだそうです。それが科学的な事実かどうかはともかくとして、 

 そんなふうに考えると、空を見上げれば、そこにはたくさんの命が見守っていて

 くれているような気になれます。そして、たくさんの人が生まれ、泣いたり笑ったり、

 愛し合ったり殺し合ったりしてきた悠々の歴史をジッと見守ってきたこの大地を、

 あの空を、いままで以上に大事にしたいと思えてきませんか?」  

                                            ――手塚治虫先生著書 『ジャングル大帝』より 

 

第5回に続く。

 

以上、バドミントン日記に戻る

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